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ガソリン車全廃に向けたEV充電スタンドの参入視点

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JNEWS会員配信日 2020/12/9

 世界では14億台を超す自動車が保有されており、その大半がガソリンや軽油を燃料としている。世界の自動車業界は、年間の新車販売が1億台、400兆円を超す巨大な市場である。しかし、2030年以降はエンジン車の販売を禁止する動きが各国で加速している。その流れを受けて、日本でも2030年代半ばまでに、国内の新車販売を全て電動車に切り替える目標を立てている。

日本では、今のところ「電動車」にハイブリッド車も含める見通しだが、欧州や米国ではハイブリッド(HV)とプライグインハイブリッド車(PHEV)までを販売禁止の対象としている。さらに都市によっては、既存のエンジン車もすべて乗り入れを禁止するという、厳しい規制方針を掲げようとしている。

背景にあるのは、地球温暖化対策への取り組みで、2050年までには温暖化ガスの排出量をゼロにすることが国際的に求められている。そこから逆算すると、エンジン車の新車販売は2035年頃までに全面禁止として、電気自動車(EV)へシフトしていくことが不可欠だが、この計画は新型コロナの影響により、前倒しで実行されていく可能性が高い。

コロナ禍では、多くの国で都市閉鎖が行われたが、徐々に閉鎖が解除される中でも、安全な移動手段としてマイカーの利用者が増えており、コロナの流行前よりも温暖化に拍車をかけることになるためだ。

《各国のエンジン新車販売の禁止時期(予定)》

これからの10年では、内燃エンジンから電気自動車へのシフトは、乗用車とバスやトラックを含めて急速に起きることになる。国際エネルギー機関(IEA)によると、2019年の時点でEVの世界普及率は自動車台数の1%、新車売上高でも2.6%に過ぎないが、前年比では40%以上に伸びている。

自動車市場全体が伸び悩む中で、EVは消費者の購買意欲を刺激する新製品でもあり、今後は各国政府の補助金支援も受けながら、エンジン車からEVへの買い換え需要が喚起されていくことは間違いない。日本でもEV購入の補助金は、1台あたり最大80万円に増額(現行は40万円)することが検討されている。

EV購入補助、最大80万円に 再生エネ充電で倍増―政府方針

それに伴い、EVの充電拠点を増やすことも一大事業になる。EVの充電スタイルには、自宅で行う「基礎充電」と、移動先で行う「パブリック充電」とがあるが、EVが本格普及する時代には、EVユーザーの9割が自宅での基礎充電が必要と考え、さらにパブリック充電施設として250万基以上が必要になるという予測もある。

公共施設、病院、商業施設、コンビニなどに設置するパブリック充電用の設備は、現状では1基あたり200~250万円、複数台の設置で500万~1500万円の費用と、1ヶ月あたりの維持費(電気代やメンテナンス費)として月額20~30万円がかかる。この事業をどのように黒字化していくのかが、新たな課題として浮上してきている。EVステーションの設置には、携帯電話の普及期と同様に大きなビジネスチャンスが潜んでいる。

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