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仕事とリゾートを兼ねたワーケーション施設の開発

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JNEWS会員配信日 2020/6/29

 新型コロナの緊急事態宣言が発令された2020年4~5月にかけては、国内の旅館やホテルは宿泊者数が大幅に減少し、観光庁が発表している宿泊旅行統計調査によると、2020年4月の宿泊者数は前年同月比で-76.8%という状況。観光地の旅館やリゾートホテルは客室稼働率が10%を割り込んでおり、壊滅的な被害を受けている。

地方部は、大都市よりもコロナの感染被害は少ないものの、これまでのインバウンド景気を形成してきた外国人旅行者は-89.2%の減少。国内でも他県への移動自粛が求められた中で、旅行を楽しめる風潮では無くなってしまった。

《旅館・ホテルの客室稼働率(2020年4月)》

日本国内の観光産業は、2019年の時点で約29兆円(外国人旅行者9兆円+日本人旅行者21兆円)の市場規模があったが、新型コロナの影響によって8割近い売上げが消失したことになる。「観光」は、地方都市にとって重要な産業であり、全国で約500万人の労働者が観光関連の仕事で生計を立てていることから、政府は2020年8月から「Go To トラベルキャンペーン」として、大々的な観光支援事業を打ち出していく計画だ。

具体的には、総額で1.7兆円の予算を組み、国内旅行を対象に宿泊旅行の場合は1泊につき2万円、日帰り旅行は1万円を上限として、旅行費用の1/2相当額までを公的に助成する。割引対象となるのは、航空機・鉄道・バスなど交通機関の乗車券と宿泊代(助成額の7割)に加えて、土産物店・飲食店・観光施設などで使える地域共通クーポン券(助成額の3割)も発行される。

このキャンペーンは3泊まで適用となるため、上手に旅行プランを立てると、最大50%の割引率で全国各地への旅行ができる。たとえば、家族3人が12万円の予算で3泊4日の旅行をする場合には、旅行代金の割引額は42,000円、クーポン付与額は18,000となり、自己負担額は78,000円で済む。

ただし、消費者の中に感染リスクの意識が根付いてしまった中で、以前と同じように観光旅行を楽しめるのかは疑問だ。旅行に出かけるとしても、コロナ前とは違った旅行のスタイルや、滞在先での過ごし方へと変化していくことになるだろう。

そこで注目されるのが、「ワーケーション(Workation)」と呼ばれる「仕事(Work)」と「休暇(Vacation)」を兼用したリゾートのスタイルである。環境省では訪日外国人客の減少を下支えする、新たな旅行需要としてワーケーションの普及を目指しており、全国34カ所の国立公園や温泉地などが、リモートワークがしやすい環境整備への助成を発表している。

従来の日本人は、仕事と休暇を分けて考えていたが、リモートワークの働き方が定着すれば、リゾート地で仕事と休暇を両立させることも可能になる。欧米ではコロナ前からワーケーションが行われているが、日本でも新型コロナを転機として、ワーケーションが企業の福利厚生、休暇制度としても本格的に組み込まれていく可能性がある。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・新型コロナで変わる休暇のスタイル
・欧州のワーケーション関連ビジネス動向
・新休暇制度としてのワーケーションツアー
・法人向けワーケーションツアーの仕組み
・ワーケーション滞在施設の開発ビジネス
・自治体と連携したワーケーション施設の開発形態
・指定管理者としてのワーケーション事業参入方法
・大都市から地方へと回帰する米国エリート人材の異変
・規制緩和される市街化調整区域を狙った地方再生ビジネス
・車中泊ユーザーを取り込むRVパークの仕組みと開発モデル

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