各国の政府は新型コロナによる学校閉鎖を、従来型の教室授業を変革する転機と捉えて、遠隔教育への取り組みを加速。それに伴い、オンライン教育に関連した新ビジネスへの参入商機も拡大している(JNEWSについてトップページ
コロナ学校閉鎖から変革されるオンライン教育の参入点

JNEWS
JNEWS会員配信日 2020/6/13

 新型コロナによる学校の休校期間は、各地域の自治体によって異なるが、心配なのは学習の遅れだろう。6月以降は全国ほとんどの小中学校が再開しているが、3月後半から5月にかけて休校した期間中には、家庭の学習状況によって、大きな学力差が付いている。今後も第二波の感染拡大が起きれば、再度休校になることも想定しなくてはならず、従来型の公教育制度は試練の時を迎えている。

これは日本だけでなく、世界共通の教育危機と捉えられている。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の統計データによると、世界で初等、中等教育を受ける子どもは約17億人いる中、新型コロナの影響で学校閉鎖された割合は、2020年4月20日の時点で、191ヶ国で90%を超していた。6月に入っても世界では60%以上の学校が再開できない状況にある。

COVID-19 Impact on Education(UNESCO)

そのため、感染症を常に意識した時代には、緊急時には教室からオンライン教育へ切り替える必要があるが、オンライン学習の環境は、家庭側のPCやネット回線の状況に依存するため、従来の義務教育では、一気に踏み込めない面があった。

米国の市場調査会社、ピューリサーチセンターが国勢調査(2015年)のデータを分析したレポートでも、米国で学齢期の子どもがいる世帯の15%は、自宅から高速インターネットにアクセスしてオンライン学習ができる環境を持っていない。
その割合は、白人よりも黒人やヒスパニックの家庭が多く、低年収の貧困層に偏っている。自宅にネット回線のない子どもは、図書館などに出かけてWi-Fiを利用するか、スマートフォンのみで学習しなくてはいけない。

《子供がいる世帯で高速ネット環境が無い割合(米国)》

しかし、コロナ後は教育環境の違いにより、子どもの学力差は大きく開くことになるため、各国の政府は教育改革に本腰を入れることになるだろう。ユネスコでも、新型コロナによる学校閉鎖の複合的な悪影響として、以下のような問題点を列挙しており、学力の面では、「高度なオンライン学習で学力を伸ばす子」「平均的なオンライン学習はするが、従来の授業よりも学力が落ちる子」「オンライン学習ができずに落ちこぼれる子」という、3段階の教育格差が生じることを予測している。

《新型コロナの学校閉鎖による悪影響》
・すべての子どもが平等に教育を受けられず、学力の格差が開く
・給食が無くなることによる栄養、健康状態の悪化
・指導方法が変わることによる教員の負担とストレスが増加
・ホームスクーリングによる親の負担が増加
・オンライン教育プラットフォーム利用者の急増による設備と人員の負担増
・親が日中に居ない家庭の安全対策や非行問題
・親が仕事を休むことによる経済状態の悪化
・経済的な困窮による中退者の増加
・学校閉鎖されると10代の妊娠、性的暴力が増加する
・学校閉鎖により社会的に孤立する子どもが増加する
・学力を適正に評価することが難しくなり、入学試験にも影響する

Adverse consequences of school closures(UNESCO)

新型コロナを発端とした学校閉鎖の影響は、各国の教育制度を崩壊させる程のインパクトがあり、優秀な若手人材の不足による企業業績の悪化など、経済ともリンクしている。その一方で、旧態然とした教育制度を変革して、新たなオンライン教育サービスを生み出せるチャンスという側面もある。

ただし、このオンライン教育の分野では、既にグーグルが強力なプラットフォームを無償で提供しており、多くの小中高校ではそれを採用することが見込まれている。そうした業界構造の中で、中小業者がどのように参入していけば良いのかを、今回のレポートでは解説していきたい。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・教育現場で模索されるオンライン授業の形
・コロナ禍で実践されたオンライン授業モデル
・日本政府が前倒しで実行する生徒1台PC体制
・GIGAスクール構想の仕様と参入点
・Googleがシェアを急拡大するオンライン教育市場
・Google for Educationのビジネスモデル
・Chromebookリース、保守サービスの業界構造
・Google認定トレーナーとしての起業方法
・Googleトレーナーの資格取得と年収相場
・フリーランス化する教員の働き方と動向

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