全国では年間に500件を超す小中学校が廃校になっている。各自治体では廃校物件の再活用策に悩んでおり、文部科学省の後押しで、有意義な事業プランを持つ民間の企業やNPOに対して、安価で譲渡・貸与する仕組みが整備されている(JNEWSについて
過疎地に眠る廃校物件を活用したローカルビジネス

JNEWS会員配信日 2017/11/30

 日本の不動産相場はアベノミクス景気によって、大都市圏で上昇傾向がみられるものの、それは投資需要によって支えられている部分が大きい。魅力的な賃貸収入が見込める立地では、物件の買い手がすぐに付くものの、その条件から外れた地域では不動産価値の下落は続いている。

国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の地域別将来推計人口」によると、2010年から2025年にかけての将来人口が増加する地域(都道府県)は、東京都と沖縄県だけだ。他の地域では人口減少が進むことになるため、不動産相場も下がるとみるのが妥当だろう。

都道府県別の将来人口(2025年予測)

東京に人口が集中するのは「仕事があること」が大きな理由になっている。しかし、自然環境が良い地方への憧れが無いわけでなく、沖縄には年間で約3万人の移住者がいる。その多くは、システムエンジニアやWebデザイナーなど、リモートでも働くことに支障のない人達である。すべての移住者が成功しているわけではないが、転入者の数が転出者を上回ることで、沖縄県の人口は増加の基調が続いている。

仮に、全国どこに住んでも同じ収入が稼げるのであれば、物価水準が安い地方都市のほうが、経済的な豊かさは高くなる。近年では、全国チェーン店舗やネット通販の普及より、地域の物価格差は縮小してきているが、生活費の大きなウエイトを占める不動産コスト(住居費)には大きな偏りがある。

住居費の地域格差(全国平均=100とした場合)

地方の不動産には、価値が大きく下落している物件が多数あるため、そうした格安物件をビジネスに活用する視点も有意義だ。具体例として、全国では毎年500校を超す公立学校(小中高校)が廃校になっており、その活用方法が模索されている。過去10年の統計では6811件もの学校が廃校になったが、その3割は再活用されないまま遊休施設として眠っている。

公立学校(小中高校)の廃校数

こうした状況を受けて、文部科学省では「未来につなごう~みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げて、廃校となった施設を民間の企業やNPOに対して、破格の安さで譲渡や貸与している。地域にも役立つ事業プランを提案すれば、家賃を無償~月額10万円程度でも、学校を丸ごと借りることも可能。さらに、自治体からの補助金も支給される。

東京の好立地にオフィスや店舗を借りれば、1坪あたり2~3万円の家賃+保証金(家賃の6ヶ月~12ヶ月分)が必要だが、スペースの狭さから、実行できるビジネスにも制約がある。しかし、地方に目を向けると、安価で広大な遊休施設が豊富に見つけられる。

過疎地で廃校になった小中学校は、起業者や経営者にとっては、隠れた優良物件になる。広い敷地と収容人員の大きな建物があり、周囲の環境にも配慮されている。“元学校”としての世間的なイメージは良く、それでいて、物件コストは安いため、社会性の高いビジネスの拠点とするには都合が良い。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・旧小学校の貸与条件と事業用途について
・廃校を活用したローカルビジネスの着眼点
・過疎地の廃校を拠点としたドローン開発ビジネス
・企業サテライトオフィスとしての活用モデル
・地方の遊休施設を活用した合宿ビジネス
・急成長する健康改善合宿の運営ビジネス
・被災地の雇用を作る災害観光ビジネスの立ち上げ方
・空き家管理サービスの成長市場と二拠点居住モデル
・通勤コストとストレスを解消したリモートワーク・カンパニー
・急増する空き家対策ビジネスとセカンドハウス投資
・ローカリストの新たな購買力を生み出す第4セクタービジネス

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JNEWS LETTER 2017.11.30
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