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  ウェラブル・コンピュータの本質は、身体から計測できる各種のデータを常時記録することにより、体調の変化を察知するライフログ市場と関連付けると全体像をイメージしやすく、商機を掴みやすくなる。
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ウェアラブル・コンピュータで変わる
生活習慣とライフログ市場
JNEW会員配信日 2013/4/27

 スマートフォンに次ぐ新市場として、にわかに注目されはじめているのが「ウェアラブルコンピュータ」の分野だ。その火付け役となっているのは、グーグルが開発したハイテク・メガネの「Google Glass(グーグル・グラス)」であり、米国内ではテスター向けの注文予約も開始された。

その仕様は、メガネに、超小型のディスプレイ、カメラ、骨伝導方式の音声装置、メモリー、無線機能などが組み込まれたモジュールが装着されている。

ユーザーは、このメガネに音で指示をすると、自分が見ている風景をビデオで撮影したり、メガネのディスプレイ上に様々な情報を映し出すことができる。テスター向けの価格は「1500ドル」だが、最終的には、もっとリーズナブルな価格で発売されることになるだろう。



ウェアラブル・コンピュータが普及しはじめた兆しは、他にもある。スポーツメーカーのナイキが、米国で昨年1月に発売した「FuelBand(フューエルバンド)」は、ブレスレッド型のデバイスで、これを普段から腕に付けていれば、内蔵されているセンサーにより、ナイキが独自に考案した「フューエル」という単位で、毎日の活動量が記録されていく。

ユーザーが1日に達成したいフューエル値の目標を設定すると、実際の活動量がそれよりも多いのか、少ないのかを、リストバンドに埋め込まれた20個の LEDランプで確認できる。さらに詳しいデータは、スマートフォンやパソコン上で管理して、友達と情報を共有することもできる。



従来の万歩計などは、ウォーキングやランニングなどの“運動”をしないと動作しにくいが、フューエルバンドは、家事やデスクワークなど、軽度の活動量でもカウントされるため、意図的に「体を動かそう」という励みになる。米国での価格は 149ドル、発売当初は予定の在庫が15分で完売するほどの人気ぶりで、日本での正式発売は未定だが、並行輸入品が2万円以上の価格で売られている。

フューエルバンドのヒットにより、ナイキのスポーツ用品部門は、前年度よりも営業利益が18%増の好成績をもたらすこととなった。

ウェアラブル・コンピュータは、これまでにないカテゴリーであり、IT、スポーツ、アパレル、健康などの業界で、ユニークな製品をリリースすれば、ヒットする可能性を秘めている。iPhoneに次ぐヒット商品が欲しいアップルでも、何らかのウェアラブル端末をリリースするのではないかと、噂されているし、これまで“オールドエコノミー”に属していた、メガネ、時計、アパレル、その他の企業にとっても、すそ野が広い商機が見込める。

《ウェアラブルコンピュータの参入商機が見込める業界》

・PC・家電・携帯電話
・メガネ、コンタクトレンズ業界
・時計業界
・アパレル業界
・アクセサリー業界
・レジャー、アミューズメント業界
・運輸、旅行業界
・流通業界
・スポーツ業界
・健康、医療業界
・家具、インテリア業界
・その他

しかし、いま発売されている製品は、ウェアラブル・コンピュータが実現できることの序章に過ぎず、将来的には、人間とコンピュータとが深く融合することで、身体の障害を克服したり、脳の働きをアシストするようなこところまで研究されている。

さらに、ウェアラブル・コンピュータから収集、蓄積できる情報は、ビッグデータとして分析することで、人間の行動予測やマーケティングにも応用することができる。今回は、ウェアラブル・コンピュータが普及した近未来がどうなるのかを、現段階の研究動向から探っていくことで、この市場に潜む本当の商機がどこにあるのかを考えていきたい。

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この記事の核となる項目
 ●生涯のすべてを記録〜ライフログを蓄積する生活
 ●健康、医療分野のライフログ市場
 ●リアルな視界をアシストする拡張現実の世界
 ●ARプラットフォームのビジネスモデル
 ●身体センサーを組み込んだスポーツ用品市場
 ●群衆の行動を予測できるスマート社会
 ●保険適用を視野に入れたウェアラブル医療デバイス
 ●ウェアラブル・デバイス連携のプラットフォーム
 ●SNSから脱皮して本当の友達を作るソーシャルスポーツ市場
 ●罰金と報酬で刺激するスポーツクラブのモチベーション向上策
 ●所有でなく共有することが求められる健康医療のデータ保管業


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JNEWS LETTER 2013.4.27
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