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インフレ景気で浮上する高級品消費と
アッパーミドルの購買特性
written in 2013/3/29

 世の中がインフレになれば、「物価が上昇する」というシナリオは、すべての商品に当てはまるわけではない。ガソリン、電気・ガスなどの公共料金、一部の食料品などは、原材料の相場によって小売価格も変動していくが、他の一般的な商材は、“値上げ”を消費者に宣言しない限り、価格は据え置きのままだ。

経営者にとって、従来の商品を値上げできれば助かるだろうが、それで顧客が離れてしまうようでは、元も子も無くなってしまう。現代の消費者は、ネットを味方に付けているため、便乗的な値上げには、徒党を組んで反発するだろうし、その商品の適正相場がいくらなのかも知っている。

だからといって、安価な商品ばかりを購入して満足しているわけではない。マイカーの購入価格は、全世帯の平均が「170万円前後」であるのに対して、高級外車を購入する人達が着実に増えている。日本自動車輸入組合によると、2009年には 16万台だった輸入車(新車)の販売実績は、2012年には 30万台にまで伸びている。

新車購入の10人に1人が外車ユーザーという状況になっており、フォルクスワーゲン、ベンツ、BMWなどは前年比10〜20%増で販売台数を伸ばしているが、これには成功の理由がある。

ひと昔前の輸入車といえば、1千万円以上の超高級車というイメージだが、近頃では、高級な質感はそのままにして、サイズダウンをした「Dセグメント」「Cセグメント」の車種が充実してきている。しかも、環境に配慮された低燃費型のエンジンや、アイドリングストップ機能も搭載されているため、同クラスの国産車よりも燃費は良いくらいだ。

《輸入車のセグメント別価格帯》

 

《輸入車の価格帯別売上動向(2012年)》

 

《輸入車の販売台数推移》

 

輸入車の値段は、国産車に比べると高いが、サラリーマンでも、少し無理をすれば買える価格帯が売れ筋だ。その中でも、200万〜300万円台の「Bセグメント」は、新たな顧客開拓のために、外車メーカーが新車種の開発に力を入れ始めている。日本のエコカーは、ハイブリッドカーが主流だが、欧州車は小排気量のエンジンに、ターボを組み合わせたモデルが充実しており、そちらの乗り味を好む人もいる。

現代の消費者は、購買力のある人(高年収者)ほど、知識が豊富で情報収集力にも長けていることから、理にかなった価値やストーリーがなければ、ブランドイメージだけで高額商品を購入することは少ない。

日本政府が目標として掲げた「2%のインフレターゲット」の実現には、懐疑的な見方もあるが、メーカーや小売業としては、できるだけ利幅のある高級商材を売っていくことが、薄利体質の経営を立て直すための急所になる。では、これからの高級商材は、どのような人達に対して、どんな売り方をしていくのが良いのか?

それを把握するには、今後の所得階層にどんな変化が生じてくるのかを理解して、購買意欲の高い人達を、固定客として取り込む工夫が必要だ。彼らは、バブル景気の頃に流行ったような、華美で贅沢なサービスや商品を好むわけではなく、精神的な豊かさや、自己の満足感を追究するようになっている。それが具体的にどんなビジネスへと結実させられるのかを、詳しく紐解いていくことにしよう。

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この記事の核となる項目
 ●インフレ景気で恩恵を受けるアッパーミドル層
 ●購買意欲と堅実性を併せ持つアッパーミドルの特性
 ●リセール価値を意識した高級品の購入動向
 ●有名ブランドのセカンドラインは是か非か?
 ●希少性をウリにした限定販売モデル
 ●不況で鬱積したストレスを発散するハーレー購入者
 ●購買心理学からみたハイエンド消費者の分析
 ●エリートとリアリストに向けた階層別ブランド戦略の進め方
 ●ファストファッション・ブランドが躍進する欧州アパレル業界
 ●感動をウリにする第5次ビジネスの正体と消費者の欲求願望
 ●団塊オヤジはなぜハーレーダビッドソンに夢中になるのか?
 ●世界に共通したミドルクラスの消滅と日本特有のデフレ構造
 ●趣味と実益を兼ねたコレクションへの投資による資産の築き方


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JNEWS LETTER 2013.3.29
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