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電子書籍リーダーの普及に伴う
出版ビジネスのモデルチェンジ
written in 2013/3/21

 日本で出版される新刊本は、年間7万8千点あるが、その大半は数ヶ月で書店の店頭から消え去る運命にある。限られた店舗スペースの中で、すべての本を在庫として置くことはできないため、人気のある本以外は、出版社に返品することが慣習になっている。

そのため、出版社はできるだけ短いサイクルで新刊本を出し続けないと、書店の棚を維持することが難しく、新刊の出版→返品を繰り返している。返品された本は、他の店へ再出荷されることなく、廃棄されてしまうのが普通である。

このようにして生じる“売れない本”の損失分は、もともとの定価に転嫁されており、消費者は割高な本を購入しなくてはいけないが、生活費の中で捻出している書籍・雑誌の購入代は、1世帯あたりの平均で約1300円/月とかなり低いのが実態で、出版業界と書店の両方が不況に喘いでいる状況だ。

《書籍の新刊点数と売上高推移》

 

しかし、読書が好きな人は少なからず存在している。彼らは「図書館を利用すること」や「中古本を購入すること」などの工夫で、限られた予算の中で、できるだけたくさんの本を読もうとしている。さらに近頃では「電子書籍として読むこと」が、かなり実用的になってきた。

アマゾンでは、同じタイトルを、紙書籍と電子書籍(キンドル版)の両方で扱い始めているが、価格はキンドル版のほうが安い設定になっている。紙なら 1,000〜1,500円と価格の相場が決まっている単行本も、電子書籍は有形の在庫や流通コストがかからないことから、その半額以下で購入できる電子本も増えてきている。

さらに電子書籍は、一つの端末で多数の蔵書を持ち歩くことができたり、異なる端末でも、同じ本を読み進めることができたりと、新たな読書のスタイルを開拓することができる。

日本の出版社も、当初は紙書籍の利権を壊したくないという意向から、電子書籍への対応には消極的だったが、紙出版の売上減少が深刻なことに加えて、アマゾンの「Kindle(キンドル)」、楽天「kobo Touch」などの電子書籍リーダーが1万円前後で普及してきたことから、出版の電子化による新たなビジネスモデルを構築しなくてはいけない時期が訪れている。

■アマゾン「Kindle(キンドル)」
  http://www.amazon.co.jp/b/?node=2250738051
■楽天「kobo Touch」
  http://kobo.rakuten.co.jp/

一方、米国では、電子書籍の普及が日本よりも進んでおり、米国出版協会(AAP )の報告によると、電子的な読書(eリーディング)をしている人は、2012年前半までの時点で、読書人口(成人)の2割以上となっている。eリーディングにリーダー専用端末やタブレット端末の購入は欠かせないが、クリスマスなどギフトシーズン毎に普及率は伸びていく傾向がある。

《米国電子書籍端末の普及動向(2012年4月時点》

 

また、電子書籍の愛読者は、紙の読者層よりも「本をたくさん読む」傾向が明らかになってきた。これは、就寝前や、通勤・旅行など移動中の空き時間でも本を読みやすくなることや、話題の本をタイムリーに購入しやすくなったことが、理由として挙げられている。

言い換えると、「電子書籍の読者層=勉強熱心・高学歴・高年収者」という捉え方もでき、彼らが今後の消費市場に与える影響力も大きいと見られている。

そこで今回は、米国の電子書籍ビジネスがどのように進化しているのか、電子書籍を出版してベストセラーを生み出すための道筋がどうなっているのかを解説して、日本市場でも成功するためのヒントを探ってみたい。

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この記事の核となる項目
 ●電子版へシフトする米国出版ビジネスの動向
 ●電子リーダーを無料配布する電子雑誌の販促活動
 ●電子版と紙版を共存させる新聞社の事情とは
 ●ローカル電子広告の新たなビジネスモデル
 ●電子書籍をレンタルできる図書館の貸出システム
 ●個人出版によるインディーズ作家の台頭
 ●電子出版における配本取次業者の役割とは
 ●電子書籍で生計を立てていくための視点と注意点
 ●iPadユーザーに向けた電子書籍の出版方法と取次ビジネス
 ●電子書籍で儲けるのは誰なのか?メジャー契約から個人出版へ
 ●無料新聞の登場に揺れ動く新聞社のビジネスモデルと収益構造


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JNEWS LETTER 2013.3.21
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