注目の新規事業テーマ
  
Top > 注目の新規事業テーマ
 

企業のオフィスに、お菓子やドリンク類を「置き薬」のように預けておき、実際に利用された分だけ料金を徴収するビジネスが、フランチャイズで広がりを見せている。大きな設備投資を必要としないことから、個人の開業テーマとしても人気がある。

JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter
ソーシャルブックマーク
JNEWS.com を Yahoo!ブックマークに追加 Yahoo!ブックマーク
JNEWS.com を はてなブックマークに追加 はてなブックマーク
JNEWS.com を livedoorクリップに追加 livedoorクリップ

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
企業オフィスの開拓とモバイルで攻める
現代版の行商ビジネス
会員配信日2012/1/8

 昼夜を問わず、無人で商品を販売できるのは「自動販売機」の利点だが、これも実際には、1台の設置にかかる費用が高額なため、低コストで無人販売の拠点として増やしていくことは難しい。

そこで、もっと手軽な無人販売の方法として「ディスプレー・ボックス」というものが海外で流行っている。これは「富山の置き薬」のような方式で、学校や保育所の職員室、企業のオフィス、コミュニティセンターなど、その場所に合った商品在庫をシンプルなボックスの中に入れておき、必要になった時に購入してもらう。

たとえば、学校の職員室や企業のオフィスに、文房具類のボックスを置いておけば、スタッフの事務用品が切れて、すぐに欲しい時に利用してもらえる。ディスプレー・ボックスの販売員は、週または隔週に1度のペースで設置場所を巡回し、在庫数のチェックと補充をして、実際に利用された分の代金を集金する。

オーストラリアの「Lifetime Distributors(ライフタイム・ディストリビュターズ)」という業者は、近隣の店や自販機では扱われていない商材(仕事に適した専門書籍、文房具、DVDなど)をディスプレー・ボックスで“置き売り”するビジネスを展開しており、オーストラリアとニュージーランドで21,000以上の職場にボックスを設置している。その職場にあった商材をボックスに詰め合わせることにより、年間4000万ドル(約32億円)の売上がある。

ワゴン車で各職場を巡回する販売員は140名以上いるが、彼らはフランチャイズ契約によって独立開業している人達だ。

 また、ニュージーランドの「Provender(プロヴェンダー)」は、職場向けに菓子類のボックスや、ドリンク入りの冷蔵庫を設置している業者で、自販機を設置するほどの規模ではない、中小企業のオフィスを主なターゲットにしている。

ボックスには様々なスナック菓子が入っており、小腹がすいた時に、職場を離れずに手に入るのが便利だ。冷蔵庫にも、炭酸飲料、スポーツドリンク、牛乳などがあり、いつでも喉の渇きを潤すことができる。代金を支払いは利用者の自己申告制で、お金を付属の箱に入れておくようにする。

こうしたディスプレー・ボックスを拡販しているのは、もともとは卸売業に属する業者が多く、実店舗、ネット販売、自販機のいずれにも当てはまらない、「無人の職域販売」という分野を開拓している。職場内では、不正な利用や代金の未払いトラブルも少ないため、簡易なボックスでも“無人店舗”として成立している。

《ディスプレー・ボックスによる職域販売モデル》

 

注目の新規事業一覧へ

この記事の核となる項目
 ●リアルな友達との交流を販路とする売り方
 ●ホームパーティによる新製品プロモーション例
 ●参加者を楽しませて売るパーティープラン
 ●化粧品の販促を目的とした香水パーティの報酬制度
 ●無人で職域販売をするディスプレー・ボックス
 ●ネットとの連携で成長するモービル・フードトラック市場
 ●移動販売を進化させたトラベリングショップ
 ●巡回型トラベリングショップの集客ルート
 ●サブスクリプション型eコマースへの着目
 ●サブスクリプション型通販の仕組みについて解説
 ●試供品提供による顧客との対話とSNS対策
 ●年商2兆円、800万人が参加する組織販売の実態と仕組み
 ●現代版ご用聞きサービスからユビキタスコマースへの跳躍
 ●デジタル時代の置き薬商法、超流通ビジネスの仕組みと収益構造


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2012.1.8
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●先用後利の置き薬商法が進化した在庫補充サービスの商機
 ●衰退するスーパーから宅配へと販路を切り替える食品製造業者
 ●コンビニ経営者と自販機オーナーとはどちらが儲かるのか?
 ●遊休スペースを売上に変える自販機オーナービジネスの仕組み
 ●ロハスに向けて流行る量り売り商法にみる小売店の新たな役割
 ●移動販売ビジネスの採算とエコ社会に支持される自転車行商