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オーガニックマークのブランド価値と
認証ビジネスの舞台裏
written in 2012/7/15

 近頃では「オーガニック」の表記がある商品を多数見かけるようになった。オーガニックの付加価値があれば、値段は高くても買い求める消費者が多いためだろう。

たとえば、出産祝いなど、子ども用のギフトとして人気なのが、オーガニックコットンの素材で出来たベビー服である。無農薬の有機栽培で育てた綿花を原料にしているため、普通のベビー服よりも割高だが、アレルギーの心配がある赤ちゃんにも、安心して着せることができるというのが売り文句。

ところが、日本では「オーガニックコットン(有機綿花)」の公的な基準が、まだ存在していない。日本の農水省が「有機農産物(オーガニック)」として認定しているのは、農産物、加工食品、飼料、畜産物に限られており、衣類の原料については対象外になっている。国内で、オーガニックコットン製品の認証を行っているのは、民間のNPOしかないため、販売されているのは大半が、海外から輸入された商品であり、品質は様々だ。

「オーガニック化粧品」についても同様で、消費者の人気は高くなっているものの、日本には、化粧品の原料が有機栽培された素材だけでできていることを認証する公的機関はいまのところ存在していない。そのため、国内で販売されているのは、欧州やオーストラリアで認証されている製品を輸入したものだが、その品質は、認証団体によって大きな差があるところまで、購入者は意識していないのが実態だろう。

消費者は、オーガニックに「安全や健康」というイメージを抱いており、多少割高な価格でも購入しようとする心理があることから、そこを突いたビジネスは色々と展開されている。

イタリアンやスペイン料理には欠かせない「オリーブオイル」もその一つで、最近では、生の野菜にオリーブオイルをかけて食べたり、大さじ1杯程度のオリーブオイルを毎朝飲む健康法も流行っている。そのため、オリーブオイルの輸入量は、20年間で25倍以上に増えており、その9割はイタリア産とスペイン産である。

《オリーブオイルの輸入量推移》

 

日本人が好むのは、オリーブオイルの中でも最上級のクラスにあたる「エクストラバージンオイル」だが、大手のスーパーで売られている商品には 500mlのボトルで、380円程度からある。欧州のオーガニック・マークが付いたエクストラバージンでも、1,000〜1,500円と比較的リーズナブルなため、愛用者は増えている。

しかし、本場のスペインやイタリアでも、最近ではオリーブオイルの粗悪品が出回っており、専門家が警鐘を鳴らしている。そこには、品質が多少劣っていてもオーガニックの表示さえ付ければ「売れる」という習性があり、マークの取得についても、裏ワザが存在している。

確かに、現地のオリーブオイルは日本よりも安いが、本当に高品質なものを仕入れて日本へ輸出すれば、貿易にかかるコストを加えて1ボトル 1,500円の売価でも採算が合わないというのが、専門家の指摘だ。では、日本のスーパーで売られているオリーブオイルの中身は、どのようになっているのか?

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この記事の核となる項目
 ●多種多様なオーガニック認証の業界構造
 ●オーガニック・ブランドビジネスの実態
 ●品質とは無関係なオーガニックのカラクリ
 ●オリーブオイルのランク偽装問題
 ●日本へ輸入されるオリーブオイルのカラクリ
 ●日本の食用オイルマーケットにある深層
 ●安全と品質を見極めるスペシャリストの必要性
 ●欧州ワイン農家が守る「信用」の築き方と新ビジネス
 ●安全な野菜を産直販売するコミュニティ農業(CSA)の台頭
 ●スローライフ志向のエリート客を取り込む持続型レストラン
 ●健康と手軽さを備えたインスタント・オーガニックの新市場
 ●趣味と実益を兼ねたワイン先物取引に学ぶ食農ビジネス
 ●ヤワな日本人には太刀打ちできない一触即発の食糧危機


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 ●農業起業を成功させる視点と知的財産化する農作物の権利争い
 ●円高ユーロ安を好機と捉えた欧州ビジネスの狙い方と有望国
 ●安全な野菜を産直販売するコミュニティ農業(CSA)の台頭
 ●健康と手軽さを備えたインスタント・オーガニックの新市場
 ●世界で拡大するベジタリアン市場と崩壊する日本の食文化