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罰金と報酬で刺激する
スポーツクラブのモチベーション向上策
written in 2012/6/5

 一大決意をして目標を立ててみたものの、気が付けば三日坊主で終わっていたということは、誰にも思い当たるフシがあることだろう。たとえば、健康維持のために入会したスポーツクラブも、熱心に通い続けたのは数ヶ月程度で、その後は次第に幽霊会員となり、会費がもったいないので退会してしまった、という人は多い。

スポーツクラブの退会状況は、各施設によって差はあるが、新規入会者の半数は1年以内に辞めると言われている。会員全体をみても、年間で3割近くは、顧客が入れ替わっているのが実態だ。そのため、スポーツクラブは有望市場であるものの、各クラブの業績は、会員の純増数が伸びないまま“横這い”が続いている。

一例として、全国展開する大手スポーツクラブ「ルネサンス」の業績は以下のように推移している。新店舗を毎年出店することで、会員数も増えているようにみえるが、1店舗あたりの平均会員数に換算すると、2千人前後のままでである。

《スポーツクラブ「ルネサンス」の会員数推移》

  

他のスポーツクラブも同じような状況だが、個人会員の伸び悩みを補うため、スイミング、ダイエット、テニス、社交ダンスなどのスクールを開講して、初心者でも気軽にクラブへ通いやすくなるような誘導をしている他、新入会者に対しては、トレーナーが個別にサポートすることで、運動の習慣を身に付けさせようとしている。

しかし、クラブ側のサービスがどんなに充実しても、脱落する会員は少なからず存在する。それは、本人の“やる気(モチベーション)”が次第に低下していくためで、そこを刺激しないことには、退会率を抜本的に改善することは難しい。

スポーツクラブに限らず、小売店やサービス業者向けには、広告宣伝やマーケティングの方法はたくさんあるが、消費者の心理に踏み込んで、商品購入やサービス利用のモチベーションを高められる手法は未開拓のままで、そこを研究してみることは有意義である。

ヒントとして、不況の中でも人気のソーシャルネットワークには、モチベーションを高めるためのノウハウが各所に埋め込まれてきた。フェイスブックは、自分の投稿に対して、親しい友達が「いいね」を押してくれることが励みになっているし、課金型ソーシャルゲームは、同じゲーム上にいる他のプレイヤーよりも、「強くなりたい」「高いステージに立ちたい」と思わせることで、有料アイテムの購入へと誘導している。

《課金型ソーシャルゲームのモチベーション》

  

モチベーションの誘導がエスカレートしすぎることの問題もあるが、適正な範囲で、消費者の気持ちを高揚させることは、顧客の購入単価やリピート率を高める上で有効な手段として活用できそうだ。米国では、行動経済学や心理学の見地からも、消費者や労働者のモチベーション向上策が研究されており、その中では褒めたり、報酬を与えるだけでなく、罰金なども組み合わせた賞罰システムを作ることが効果的であることがわかってきた、それがどんな仕組みなのか解説していこう。

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この記事の核となる項目
 ●サボると損をするスポーツクラブの罰金プログラム
 ●行動経済学の理論に基づく賞罰システムの視点
 ●禁酒、禁煙を実行するための賞罰システム
 ●金銭以外で従業員を刺激する米国のボーナス制度
 ●現物賞与で伸びるコーポレートギフト市場
 ●NPOが寄付へのモチベーションを刺激する究極技
 ●カジノパーティ開催による資金の集め方
 ●カジノビジネスに賭ける欧州政府の思惑と新雇用の行き先
 ●電子ギフトカードの発行ビジネスと法人向けギフト市場の開拓
 ●ゲーム理論で動く才能集団の利害関係に基づく協業ビジネス
 ●企業よりも魅力的なNPOの収益構造と“非営利”の誤解
 ●優秀な社員に時間報酬として与えられる在宅勤務制度の動き


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JNEWS LETTER 2012.6.5
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