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  英語圏では、画像ファイルの中に検索キーワードのタグを設定する仕事や、ビデオ映像の解説テキストを書く仕事、音声データをテキストに起こす仕事などが、新興国の知的ワーカーへオンラインで発注されるようになっており、24時間以内には作業が完了、納品される仕組みが出来上がっている。
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黒船に乗った新興国の知的ワーカーが迫る
労働市場の開放政策
written in 2010/8/24

 あるソフトウエアのサポートを受けようとして、コールセンターに電話をしたとろ、担当者の日本語に微妙なアクセントの違和感があった。センターの所在地がどこなのか聞いたところ、中国の大連市で、対応しているのは日本語のトレーニングを受けた中国人なのだという。それでも電話の応対に大きな支障は無かった。

英語圏では、電話越しの顧客サポートがインドやフィリピンから遠隔で行われていることが珍しくないが、いよいよ日本の商圏にも、国境を越えた労働力の脅威が押し寄せようとしている。日本語ができる中国人の平均給与は、日本国内の人件費よりも半額〜1/4という安さである。

一方、日本国内では相変わらず、日本人同士の狭い視野でしか労働市場の議論がされておらず、派遣労働者についての法律も二転三転している。しかし労働者の中で派遣社員が占める割合は2%程度に過ぎず、それ以外の契約社員、パート社員、名ばかり自営業者の存在も含めて、労働環境の変化を捉えていくべきだ。

《国内労働力の内訳》

  

企業にしてみれば、人材は景気や売上の状況に応じて、増やしたり減らしたりできるのが理想で、固定的な雇用はできるだけ避けたいと考えている。それでも最近は、正社員を雇わない企業に対する風当たりが厳しいことから、パート社員を正社員に昇格させる動きもあるが、実質的な給与体系は、時給換算のまま変わらない「時給制正社員」が増えている。

本来の労働市場とは、鮮魚や青果と同様に、人材(労働力)の需給バランスと価格(賃金)交渉よって、労使の取引が成り立っているため、安くて有能な人材が新たに登場してくれば、政府が雇用を安定させるために処方した薬も、短期でしか効かない。

その“新たな人材”として、いま世界で起こっているのが「オンデマンド労働者」を調達するための枠組みある。これは、従来の“非正社員”よりも更に流動的な労働力で、忙しい時に時間単位で採用したり、プロジェクト単位で仕事を任せられる。たとえば、Web制作の納期が間に合わなくて、急遽、デザイナーの数を増やしたいようなケースでも、即座に有能な人材を呼び集めることができて、割り振った作業を翌朝までに仕上げてもらえる。


オンデマンド労働者の多くは、東欧や新興国からオンラインで就労する知的ワーカー達で、彼らの存在がITビジネスにかかる人件費を、革命的に押し下げようとしている。その仕組みが具体的にどのようなものか見ていこう。

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この記事の核となる項目
 ●ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
 ●ネットビジネスの現場を支える内職プラットフォーム
 ●アマゾンがサイト制作に活用するオンデマンド労働者
 ●クラウドワークで育成される新興国の専門人材
 ●バーチャルオフィス空間におけるソフト開発の仕組み
 ●オンデマンド労働の受発注と評価システム
 ●世界を電子的に移動する労働市場の夜明け
 ●アジアの黒船に日本は労働鎖国を守れるか?
 ●クラウドワークとネット副業を普及させるペイパルマネーの実力
 ●クラウドワーカーが変えていく労働市場と社会事業の方向性
 ●世界標準のプラットフォームビジネスとローカライズ市場
 ●中国eコマース市場の取引慣習と日本業者向け代行ビジネス
 ●ネットによって国境を楽々と越えるサービス貿易の動向と影響
 ●外国人労働者受け入れ解禁で飛躍が見込める日本語教育市場


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 ●みんなの共同作業で解明する市民科学とクラウド社会の輪郭
 ● ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
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