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  人間の欲求は麻薬と同じで、一度その美味を味わうと、より強い刺激が欲しくなっていく。その対象は、モノから無形のサービス、そして知力へと進化して、最終的には「心」に辿り着くと言われている。 そこに向けた事業は、第5次ビジネスと言われている。
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感動をウリにする第5次ビジネスの正体と
消費者の欲求願望
written in 2009/12/24

 昨年からブレイクしているものと言えば「iPhone」や「ツイッター」が挙げられるが、これらの最新ツールを利用しても、なぜか気持ちが高揚しないという人は多いのではないだろうか。1990年代にはパソコン、インターネット、携帯電話など、新しい情報ツールが次々と登場して、それを初めて手に入れた時には何とも言えない興奮や感動があったものだが、近頃では、数ヶ月サイクルで変わるデジタルの世界に疲れたり、冷めている人も少なくない。

もちろん情報機器を上手に使いこなしている人もいるが、それはあくまで“道具”に過ぎないわけで、使い手によって価値は変わってくる。デジタルモノが氾濫している昨今では、デジタルだけに詳しい人は興醒めで、アナログの知識に深い人のほうが価値を高めることができる。今後は、デジタルは当然のように使いこなし、何かのアナログ分野で専門性を追求していくことが重要になる。

どういうことかといえば、消費者は時代の変化(進化)と共に、頭や心の深いところで感じるエモーショナルな刺激を求める傾向が強くなっていることを意味している。人間の欲求は、ある種の麻薬と同じで、一度その美味を味わうと、より強い刺激が欲しくなっていく。その対象は、モノから無形のサービス、そして知力へと進化して、最終的には「心」に辿り着くと言われている。

《進化する欲求の五段階》

 ●第一の欲求………無事に生きていたい(最低限の食事がしたい)
 ↓
 ●第二の欲求………快適な生活ができるモノが欲しい(物欲)
 ↓
 ●第三の欲求………生活を楽しめる娯楽が欲しい(サービスへの欲)
 ↓
 ●第四の欲求………他人よりも賢くなりたい(知性への欲求)
 ↓
 ●第五の欲求………脳や心で深い感動を味わいたい(心の欲求)

パソコンやインターネットは「第四の欲求」を満たすためのツールとしては最適で、わからない事を検索すれば瞬時に該当する情報を引き出すことができるため、巷では“にわか情報通”が急増しているが、彼らには何かが足りない。これはビジネスにも共通していることで、消費者の心を掴むために、ホームページやブログで情報発信するのは今や常識であり、さらに上の高みを目指す必要がある。

そこで来年以降のトレンドとして注目しておくべきなのが、人の感性を刺激するビジネスである。感性には「感動、喜び、共感、同情」などの種類があるが、これは、いわゆる“第5次産業”と言われる領域のビジネスで、“心”がテーマとなるため、捉え方が難しくてビジネスモデルも漠然としている。

しかし最近の人気者やヒット商品の傾向を見ると、消費者が「応援したい、協力したい、助けてあげたい」と感じる、心の琴線に触れることで、大きな口コミパワーを生み出しているのが特徴。今年の社会貢献ブームも同じ源流から来るものだが、その正体は、じつは「感動ビジネス」として見ることができる。

世の中は、不況で一般市民の生活に余裕が無くなったことで、消費は大幅に落ち込み、企業の業績にも大打撃を与えているが、その反面、「社会貢献したい」という風潮だけは盛り上がっている。従来の考え方では、「不況による生活苦」と「社会貢献をする余裕」は相反する性質のものだが、第5次ビジネスの法則を理解すると、それが正しい流れだということがわかる。そして不況による、労働市場の失業問題を解決する鍵も、第5次ビジネスの中に隠されている。それがどういうことなのかを説明していこう。
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この記事の核となる項目
 ●心の満足度を与える第5次ビジネスの特徴
 ●現代人が心を満たす4つの欲求願望とは
 ●食ビジネスにおける5段階の進化
 ●オーケストラ経営から学ぶ感動ビジネスのモデルと収益構造
 ●感動をウリにしたファン獲得の流れ
 ●感動ビジネスにおける特典取引と寄付モデル
 ●感動事業を手掛けるNPOの収益構造
 ●交響楽団の寄付者(パトロン)に対する待遇内容
 ●寄付マネーよって生まれる新たなソーシャル社会と労働市場
 ●欧米政府が誘発させる寄付マネーの影響力
 ●寄付市場が拡大すると新規雇用が増える法則
 ●企業よりも魅力的なNPOの収益構造と“非営利”の誤解


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