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知的人材が求めるフレキシブルワークと
新たな隠れ家的空間
written in 2009/7/11

 先ほどまで晴れていたかと思っていたら、瞬く間に重たそうな雲が現れて局地的に降る大雨は“ゲリラ豪雨”と呼ばれるようになったが、これには都市部で起こっているヒートアイランド現象との因果関係があるという説が有力。東京の年間平均気温は百年前と比較すると3度近くも上昇しているのだ。生物学者によれば、平均気温が2度上昇すれば生命に危機的状況が訪れると言われており、東京は既にその基準を超えて、エアコン無しの空間では人間が生存できないところまで来ている。たとえエアコン付きのオフィスでも、夏場の集中力は低下して、仕事の能率が落ちていると感じる人は少なくないだろう。その点からすると、東京オフィス街の機能は限界近くに達しているのかもしれない。

JNEWSが推しはじめた在宅プロ育成には、意外にも官公庁からの反響がある。民間企業に先駆けて、特許庁が在宅勤務の導入を進めているように、ビジネスのワークスタイルを変えることは、世界的にも国策として推進されているのだ。その背景には、地球温暖化や交通渋滞の他にも、9.11のテロ事件以降、危機管理対策として、首都圏のオフィスに一極集中した事業のやり方を改めようとする動きが活発になっている。テロの他にも、大地震や新インフルエンザのような細菌感染などのリスク対策として、社員の中で遠隔勤務者を一定の割合で作っておくことが求められているのだ。

そこで日本政府も、世界に向けて“遠隔勤務推進派”の立場を示そうとしている。国土交通省が2008年に行なった「ITを活用した場所や時間にとらわれない働き方(=テレワーク)の実態調査」によると、国内で“広義のテレワーカー”と呼べる人達は労働者全体の46%にもあたり、テレワーク人口が急増していると言うのだ。およそ信じられない数字だが、その内訳は、会社に勤めている「雇用型テレワーカー」が 43.0%、会社からは雇われていない「自営型テレワーカー」が66.4%という報告である。

《広義テレワーカー率の推移(国内)》
    2002年2005年2008年
    雇用型テレワーカー13.7%36.0%43.0%
    自営型テレワーカー24.2%54.0%66.4%
    全体15.6%38.9%46.0%

    ※平成20年度テレワーク人口実態調査(国土交通省)

ここでの「広義テレワーカー」とは、会社オフィスの他に、社外からでもITを使える環境にあるビジネスマンのことを指している。たとえば営業セールスに出かける際にはノートパソコンを持ち歩き、外出先からでもネットにアクセスしている人や、携帯電話でメールの送受信をしている人も広義のテレワーカーとしてカウントしているのだ。

そこでもう少し対象を絞り込み、会社以外でITを使って仕事をしている時間数が“1週間に8時間以上”を超える人を「狭義のテレワーカー」とすると、その割合は全体の15.2%という水準。しかし1週間に8時間程度のモバイル勤務でテレワーカーと呼ぶには違和感があるし、先進的なビジネスマンが望んでいるのも、そのレベルのテレワークではないだろう。

「ITを活用した場所や時間にとらわれない働き方」の実態調査

他方、世界の先進国では政府主導でテレワークの普及が進められている。その背景には様々な社会的背景が絡んでおり、近い将来にはCO2の削減活動と同様にテレワークについても、政府が企業に対して一定割合の導入を義務付けることも検討されている。そこまで各国が力を入れているワークスタイル改革の動きには、どんな事情があるのかを見ていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●欧州企業が推進するテレワーカー育成と社会保障問題の接点
 ●社会保障制度の崩壊とテレワーカー育成の因果関係
 ●ドイツ政府が識別する「本物の自営業者」と「見せかけの自営業者」
 ●米国政府が仕掛ける公務員の在宅勤務制度と新オフィス構想
 ●米国が政府職員にテレワークを推進する理由とは
 ●遠隔勤務の普及に向けた新オフィス構想
 ●米政府職員が採用するテレワークセンターからの遠隔勤務
 ●知的プロが求める新たなワークプレイスの特徴
 ●企業オフィスのフリーアドレス化と椅子取りゲーム
 ●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
 ●少子高齢化で求められるワークスタイル改革の切迫した事情
 ●エコ社会で見直される自転車通勤のトレンドと自転車業界


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