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在宅介護セルフサービス時代の幕開けと
新たな専門職の役割
written in 2009/4/16

 桜が咲く新年度になると、真新しいスーツに身を固めた新入社員がニュースで取り上げられるのが恒例だが、今年は朝から長蛇の列ができているハローワークのほうが旬の話題になっている。2009年2月の完全失業者数は 299万人で1年前より33万人も増えており、その中で1年以上にわたって職が決まらない長期失業者は3割以上になる。属性でみると、女性よりも男性、高卒よりも大学・大学院卒のほうが失業期間が長期化しやすい傾向がある。これは高学歴の男性ほど探している仕事の理想が高く、収入の面でも妥協できないためだろう。

「どんな仕事でもやりたい」という気持ちがあれば、人材を求めている業界はあるものの、30代や40代になってから新しいスキルや技術を習得するのには抵抗があるし、賃金の条件で折り合いが付かないというケースが多い。それは求人・求職状況からも把握することができる。

《職種別の求人倍率と賃金条件(2009年2月:東京地域》
    職種別の求人倍率と賃金条件

求職者が希望しているのは、一般的なサラリーマン職といえる分野の「小売、管理職、事務、製造業」などで全体の7割以上を占めている。しかも求人側の企業から提示されている条件より高めの賃金を希望しており、これでは簡単に就職先が見つかるわけがない。

一方、求人倍率が高くて人材不足の傾向が顕著なのは、医療、介護、福祉の分野である。これらの仕事には専門的な訓練や資格が必要な上に、現場では肉体労働が中心で衛生面でも気を遣わなければならない。そのため近代的な製造業の工場よりもはるかに3K(きつい、汚い、危険)という印象を抱かれた不人気職になっている。介護関連のビジネスについては、介護保険制度が導入された2000年頃には開業者が多数登場したものの、その後に介護報酬の不正請求事件が相次いで発覚したことをきっかけに「介護ビジネスは儲からない」という事実が露呈して、いまでは起業テーマとして語られることも少なくなってしまった。

しかし、医療や介護のサービスには、将来は誰もが世話になるため、その仕事が成り立たないようでは安心して老後を迎えることができない。欧米でも同分野の働き手が不足しているのは同じだが、その解決策が具体的に検討されている。

日本では、介護業界の従事者が約330万人いるが、彼らの平均賃金(月額)は 20万円前後という状況で、労働者全体の平均値よりも10万円近く低い。そのわりに厳しい仕事のために、新しく介護業界に就職しても3〜5年で離職してしまう。そのため、常に新しい人材を採用していく必要に迫られている(=求人倍率が高い)ことに加えて、今後の10年では介護分野だけで60万人の人材を増員していかなくては、高齢者の増加に対応できないと予測されており、人材の採用と育成は“待ったなし”の状態である。

そこで医療・介護分野の人材サービスには商機が見込めるはずだが、求職希望者を増やすための鍵は業務のIT化にかかっている。それがどういうことなのか紐解いていこう。
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この記事の核となる項目
 ●求人倍率が高くても給料が上がらない薬剤師業界のカラクリ
 ●2倍の年収差にみる日米薬剤師の業界構造
 ●求人倍率は高くても給料は伸びない薬剤師
 ●医療・介護ビジネスの赤字を解決するオートメーション革命
 ●オートメーション化する米国の薬局業務
 ●テレファーマシーによる遠隔薬剤師の役割
 ●日本の介護職はなぜ低賃金、重労働なのか?
 ●コストを軽減する介護業界のITソリューション
 ●在宅介護を支える遠隔看護師(テレナース)の役割
 ●ケアギバーによる“介護+お手伝いさん”の労働力
 ●家族が有給の介護スタッフになるという発想
 ●有給による家族の在宅介護モデル
 ●医療現場から学ぶセカンドオピニオンによる助言業務の仕組み


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