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マークは違っても中身は同じ ガソリン業界のバーター取引 |
written in 2008/7/4
ガソリンの価格は、元売りメーカーの1社が値上げをすると、他のメーカーも揃って値上げをするのが慣習になっている。1社くらいは値上げのタイミングを遅らせれば、他社よりも販売シェアを伸ばせるように思うが、それができない業界の事情がある。ドライバーの多くは、エネオス、昭和シェル、出光、JOMOというように複数あるガソリンの銘柄から、自分が好むブランドを一つ決めて毎回給油しているが、それは同じ銘柄のガソリンを利用し続けたほうがエンジンのためには良いだろうし、銘柄によって燃費効率に違いがあると信じているためだろう。しかし実際には、ブランド名は違っても、中身のガソリンは全く同じものということが少なくない。つまりA社のガソリンと、B社のガソリンは同じ貯蔵タンクから出荷されていて、銘柄名だけを付け替えて販売しているのである。
もっともガソリンは商品自体に銘柄名が記載できるわけではないため、貯蔵タンクからA社のロゴマークが入ったタンクローリー車で出荷すれは「A社ブランドのガソリン」、B社のタンクローリー車なら「B社ブランドのガソリン」ということになる。
これが食品の話なら“産地偽装”ということでマスコミから叩かれてしまうところだが、石油業界に対しては、物流の合理化策として元売りメーカー間による「バーター取引(物々交換取引)」が認められているのだ。それによって各メーカーは全国各地に自前の油槽所を持たなくても、安定してガソリンを供給できるのである。危険物を貯蔵しておくための施設は無駄に多く作るよりも、各社が共同で利用したほうが安全で環境にも優しい。
《バーター取引によるガソリンの流通ルート》
昨今では、為替レートや株価の乱高下により、一夜で何兆円というマネーが変動しているが、それと我々が日々の生活で使う“お金”が同じものということに、しっくり来ないことがある。それに加えて、原油高の影響で物価が上昇しはじめると「お金とモノやサービス」とのバランスが次第に合わなくなってくる。たとえばネット通販を支えている宅配便にしても、サービスの原価にあたるガソリン代が 1.8倍に上昇すれば、運賃も同じように値上げしなくては採算が合わない。しかしそれでは利用者から不満が出ることから、現実的な値上げ幅は最小限に抑えるしかない。
これを利用者にも納得してもらうための方法としては、運賃をお金でなくてガソリンでもらえばよい。東京−名古屋間の運賃はガソリン5リットル分、東京−大阪間なら9リットル分としておけば、ガソリン相場の変動にサービスの対価を合わせることができる。ただし実際には、ガソリンを直接やり取りすることはできないから、ガソリン相場を基軸としたポイント制度(電子マネー)を作ればよい。やや飛躍した発想のようにも思うかもしれないが、これは現金を使わなくても、航空マイレージで世界中を旅できるのと同じことである。
お金(現金)を使わずに、「モノとモノ」「モノとサービス」とを直接やり取りすることは「バーター取引(物々交換取引)」と呼ばれるが、トラックでなければ運べないような嵩張るモノと、無形のサービスをそのまま交換することは難しいため、一旦はお金以外のポイントに置き換えてから交換する仕組みが求められている。現代の消費者がクレジットカードや航空マイレージで使い慣れてきたポイント制の仕組みからは、じつは電子マネーによる未来社会の姿をイメージすることができて、それが実現すると「子供の教育費に使うマネー」と「資産運用をするマネー」の種類を使い分けることができて、大切な生活費や老後資金を為替や株式の乱高下で目減りさせるリスクから守ることができる。その具体的な仕組みを見ていくことにしよう。
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JNEWS LETTER 2008.7.4
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