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  著作権法の改正により、本を有料でレンタルするサービスが正式におこなえるようになった。それに伴い大手のビデオレンタル業者もレンタルブック事業に参入している。ところが、この事業は大手でなくとも個人として開業できる隙間がたくさん存在している。
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貸与権の明文化で急拡大する
レンタルブック事業への参入商機
written in 2007/3/15

 昨年末から「レンタルコミックサービス」という新ビジネスがにわかに脚光を浴びている。というのも、これまで著作権の問題が不透明であった「本を貸す(貸本業)」という商売が著作権法の改正に伴い、作家側に正当な著作権料を支払うことにより合法的に行える見通しが立ったためである。それに伴い、CD・DVDレンタル大手のTSUTAYAやゲオなどもレンタルコミックサービスへの参入を表明している。

貸本業の中でも「なぜコミック(まんが本)なのか?」という点については公立図書館との絡みがある。小説やビジネス本は図書館で無料で借りられるということで、貸本業者にとっての競合になる。しかしコミックに関しては一般の図書館が扱っていないということで“貸本”に関する潜在的なニーズが存在しているのだ。しかもその市場規模はかなり大きいことが推測できる。現在の国内コミック市場は雑誌と単行本の両方で年間の発行部数が約2億冊、約5千億円の売上規模がある。しかもこれは新刊として発売される“一次市場”の数字であり、古本屋やマンガ喫茶などの利用による“二次市場”までは含まれていない。この二次市場の中にレンタルコミックサービスが食い込もうというわけだ。たしかにマンガ本を買うのではなく「借りて読めたら便利」という人は多い。今どきコレクターでもない限り、読み終わったマンガを部屋の本棚にズラリと並べておくのは、スペースがもったないと感じている。

レンタルコミックという商売自体は、これまでにも水面下で存在していた。その動向については2006/4/1号でも紹介したが、この時点では著作権料の取り決めが定まっておらず、グレーゾーンのまま業者は商売をしていたような状況であった。しかしその後、貸本業者に対する本の使用料(著作権料)が決まったことを受けて、大手を振って合法的にレンタルコミックサービスが行えるようになったのだ。

やはりレンタル業界に精通しているTSUTAYAやゲオなどは、いち早く正式サービスに向けて着手しているが、彼らとてレンタルコミック部門に関しては新規参入者に過ぎない。レンタルコミックの開業ルールについては、書籍貸与権の管理団体である「出版物貸与権管理センター」が規程を作っているが、それに従いさえすれば大手レンタル業者に限らず、個人事業としても開業することが可能だ。CDやDVDのレンタルと比較すると、コミックは仕入原価が安いために個人でも新規参入がしやすく、上手に在庫を回転させれば好採算が見込める。その具体的な方法について今回は解説してみよう。
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この記事の核となる項目
 ●レンタルコミック開業における書籍の仕入方法
 ●レンタル書籍の仕入ルートとレンタル使用料の流れ
 ●ビデオレンタル店と比較するレンタルブックサービスの採算性
 ●レンタルコミックの料金設定における採算の考え方
 ●貸出回転率からみたレンタル店の採算性
 ●ゼロからの起業でも参戦しやすいオンラインレンタルコミック
 ●店舗型ばかりでないオンラインレンタルへの着目
 ●レンタル店に対抗した古本業界からの新ビジネス
 ●書店よりも儲かるレンタルコミックサービスの採算性と問題点
 ●空間の時間貸しサービスとして成長する複合カフェ経営の採算性
 ●本屋にはどうして文具コーナーがあるのか?書店の意外な事情


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 ●書店よりも儲かるレンタルコミックサービスの採算性と問題点
 ●ビデオレンタル店と比較するレンタルブックサービスの採算性
 ●廃業する工場を再利用した職人の開業支援とレンタル工房
 ●趣味の専門市場に特化した環境(スペース)の賃貸ビジネス
 ●貸本業の台頭で浮上する貸与権問題と公立図書館の流通ルート
 ●厳冬の時代を迎える出版業界の構造(本が売れなくなった業界事情)