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  ブログやSNSでの個人的な活動から収益を得ること(小遣いを稼ぐこと)を最近では「マネタイズ」と呼ぶ。その仕掛け人となっているのは、消費者を上手に使って商品の口コミを広げたいと考える企業の広告担当者の存在である。
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マネタイズブームの裏側にある
消費者インセンティブの仕掛け人
written in 2007/1/12

 熱心なブロガーが自分のサイトから収益を稼ぐ方法といえば、アドワーズのような広告を掲載するか、アマゾンなどショッピングサイトの商品を紹介するアフィリエイトが定番である。強者になるとこれだけで月に30万以上を稼ぐ人もいるが、それはごく一部の例外的なカリスマであり、大半の素人ブロガーは数千円〜1、2万円の小遣い稼ぎで終わっているのが実態である。

そこで2007年のキーワードとして注目されているものに「マネタイズ(Monetize)」という言葉がある。マネタイズを辞書で引くと「貨幣を作ること、通貨を定めること」となっているが、ネットでは「どう儲けるか」「そのサービスからどう金を生むか」といった意味合いで使われるようになっている。特にWeb上のサービスを展開するにあたってそれをどんなビジネスモデルにするかを問うときに、この言葉を使うことが目立っている。たとえば「動画共有サービスをどうマネタイズするか?」といえば、YouTube のようなサービスで利益を得る仕組みを考えることを意味している。

ネット上では“無料サービス”が基本であることは今に始ったことではなく、それをいかに収益化するかは、サイトオーナーにとって十年来の課題であるが、近頃ではWeb2.0の技術革命が巻き起こっていることから、サイトから収益を得るための仕掛けとしてかなり高度なことができるようになっている。ブログやソーシャルネットの台頭で、個人(消費者)が自分自身のメディアを持つ「CGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)」という動きが発展して、今後は消費者メディアがマネタイズの道を目指すことになるだろう。

このトレンドの先端はやはり米国にあり、先進的なオンラインメディアが2007年のトレンドとして、「消費者のマネタイズ」をとらえている。ネット上のコンテンツで稼ぐのは、アントレプレナー(起業家)とデザイナーなどのプロクリエイターに加えて、「ミニプレナー(Miniprenuer)」と呼ばれる、日本でいうところのプチ起業家だと言及されている。そこには、サービスを利用することだけでなくそれで稼ぐことにも積極的になった消費者、企業が提供するアワード(広告や商品企画の募集、○○賞など)を利用する消費者たちも加えられている。また、趣味などを通じて小遣い稼ぎをする活動を“趣味経済”(「HobbyEconomy」あるいは「HOBBYNOMICS」)と称して注目しようという動きも見受けられる。

このようなマネタイズの動きを個人ユーザー(消費者)の側からみれば、魅力的な副業として映るのだが、そこにはやはり“仕掛ける側”の存在がある。ミニプレナーが本物の起業家と異なるのは、ゼロから自分のビジネスを組み立てるのではなく、何者かがエサとして仕掛けた報酬プログラムに乗せられているだけに過ぎないということだろう。真の起業家を目指すのであれば、仕掛けられるより、仕掛ける側に回ったほうが賢明である。ではその仕掛け人達の狙いがどこにあるのかを探ってみることにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●広告宣伝活動〜消費者インセンティブへのシフト
 ●企業が仕掛ける消費者報酬プログラムの仕組み
 ●ビデオコミュニティがマネタイズする仕組みと報酬制度
 ●素人と企業を結びつけるビデオ投稿サイトの収益モデル
 ●消費者インセンティブがMLM化しないための方策
 ●社員の代わりに大衆を戦力とするクラウドソーシングとは
 ●企業の求人広告費が紹介報酬制度に変わる動き
 ●報償金システムによる求人活動の仕組み
 ●新たな法人ビジネスとして狙える従業員インセンティブ市場
 ●SNSの収益源として浮上する紹介報酬制度の仕組みとリスク
 ●ウェブログによる新たな個人メディアの台頭と収益化計画
 ●インフルエンサーが支えるバズ(Buzz)マーケティングの仕組み
 ●織り込み速度で判断するネット情報の優劣と"情報通"の在り方


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