注目の新規事業テーマ
  
Top > 注目の新規事業テーマ
   
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter

RDF

Google

 
WWWを検索
JNEWSを検索
市場から抹殺される返品商品を
専門に取り扱う裏の流通業者
written in 2005/9/14

 商売を円滑に進めていくためには余分な在庫を極力持たないことが鉄則。そのため最近では「サプライチェーン・マネジメント」のようにITを駆使した在庫管理の手法も生まれている。ただし高度な在庫オペレーションは取引業者間で優位な立場の業者の都合によって管理されていることが多く、立場が弱い業者にとってはあまり恩恵を得ることができない。むしろ、本来は相手業者が持つべき在庫までを自社が抱えてしまうことさえある。そこで大量に発生しているのが、正規のルートを逆流して返品されていく商品である。

またオンライン通販業者では、購入者から返品された商品を“不良在庫”として抱えるケースも増えている。返品に対するショップ側の姿勢はそれぞれ異なるが、通信販売は購入時に商品を手に取って確認できない欠点があるため、ショップ側が積極的な返品受付をすることで、消費者が日頃から抱いている“通販の壁”を取り除こうとする業者も増えている。ただし返品された商品は、そのまま別の顧客へ販売することが難しいため、返品商品をできるだけ損のない形で処分できるノウハウが求められている。

正規ルートから一度外れた返品商品は、消費者の目に触れることなく二次的な流通経路を辿っていくことになるが、これは「返品流通(リバース・ロジステックス)」と呼ばれている。メーカーから小売店に供給される商品の中で、売切ることができずに返品される商品の数(返品率)は、小売業界全体では平均して3%前後と言われていることから、相当な数の商品が裏のルートで処理されていることになる。その中の一部はディスカウントショップやリサイクルショップへと投げ売りされたり、廃棄処分されてしまうこともあるが、そこでは独特のビジネスが展開されている。

返品流通のビジネスがおもしろいのは、商品の引取りや処分のための条件として金銭面の条件よりも、返品処分の秘密が絶対にバレない信頼できる業者が選ばれるという点だ。そのためこの裏市場で信用を築いた業者は、価格競争に巻き込まれる心配の少ない継続的な取引をすることができるのだ。
注目の新規事業一覧へ

この記事の核となる項目
 ●アパレル業界にみる返品率の実態
 ●返品を収益に換える清算(換金)ビジネスの実態
 ●返品物流におけるブラックボックスの役割とは
 ●表舞台には決して立たないリセラー業者の存在
 ●コストよりも秘密厳守が重視される商品廃棄の舞台裏
 ●顧客満足度経営の影に潜む返品商品が生み出す新市場
 ●実店舗が抱える返品商品を活用したB級品ビジネスの可能性
 ●家電リサイクル法で求められる廃棄製品の静脈物流システム
 ●独自の回収ルート開拓が鍵となるリサイクルビジネス攻略法
 ●古紙回収業界の仕組みに学ぶゴミを"金のなる木"に変える術


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2005.9.14
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。