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急成長するオンライン音楽配信で変わる 音楽業界の権利ビジネス |
written in 2004/7/18
「音楽」は生活の中にも密着に入り込んでいて、文化としても根付いているのは周知の通りだが、近頃では音楽CDの売上高が急速に落ち込んでいる。日本レコード協会が発表している国内のCD年間生産額でみると、1998年には約5800億円だった市場が、2003年には約3800億円にまで縮小している。これはかなり深刻な事態といえるが、音楽業界では不振の理由をCDの違法コピー問題などに置き換えている。
《国内の音楽CD生産額推移》
| 邦楽 | 洋楽 | 合計 |
1994年 | 3545億円(72%) | 1376億円(28%) | 4922億円 |
1998年 | 4518億円(77%) | 1359億円(23%) | 5878億円 |
2001年 | 3785億円(77%) | 1110億円(23%) | 4895億円 |
2003年 | 2820億円(72%) | 1059億円(27%) | 3879億円 |
※出所:(社)日本レコード協会
その一方で、米アップルが運営する「iTunes Music Store(アイチューンズ・ミュージックストア)」というオンライン上の音楽配信サービスでは、ダウンロード販売曲数が1億曲を超えている。音楽のオンライン配信というと、以前は著作権を侵害した違法サービスが乱立していたため評価は低かったが、iTunesの成功によって合法的な音楽配信サービスを評価する機運が、音楽業界の中で急速に高まっている。
この流れは、音楽業界のビジネスモデルを大きく変革すると共に、アーティストにとってもプロとアマチュアの境界線を事実上消滅させることへと繋がっていく。そこには、これまで大手レコード会社が独占してきた音楽ビジネスの利益を、音楽好きなアマチュアのアーティストやベンチャー企業へと分配できる商機が生まれている。
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●ポータブルプレーヤーが変える音楽ビジネス
●変化する音楽の商品価値とオンライン配信の革命
●プロアーティストの収益モデルとインディーズ化の新たな動向
●ベンチャー企業が生み出す新しい音楽権利ビジネス
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JNEWS LETTER 2004.7.18
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