景気の停滞と規制緩和による激しい競争、環境問題への対応などトラック運送を中心とした物流業界を取り巻く環境は厳しい。長引く不況により貨物量の増加が見込めないのに加えて、荷主側のコスト意識も高まっている。これは商品物流のニーズが小口・多頻度配送へと移行していることとも深い関係がありそうだ。
トラック運送業界は「新規参入が比較的容易であるため競争が激しい」「車両設備負担が大きい」「人件費負担が大きい」ことがネックとなって収益性は総じて低いのが特徴。トラック1台の営業収益を100とした場合の収支比率は以下の
通りとなる。
<トラック1台の営業収支指数>
┌◎営業収益 -------------> 100
┌┤ ──────────────
│└●営業費用 -------------> 98
│ *運送費
│ ・人件費 ------->(42.3)
│ ・燃料費 -------> (4.1)
│ ・修繕費 -------> (2.1)
│ ・償却費 -------> (4.4)
│ ・その他 ------->(40.5)
│ *一般管理費
│ ・人件費 -------> (2.4)
│ ・その他経費 ---> (2.2)
│ ──────────────
└→☆営業利益 -------------> 2
トラック運送業者が売上額を高めるにはトラックの台数を増やすことが不可欠だが、同時に営業費用も上昇するために厳しい経営体質(低い利益率)は続いたままだ。また、他社との競争が激化する中では運賃を値上げするわけにもいかないのが苦しいところ。
そこでトラック運送業界が利益率を高めるための重点項目としているのが「実車率」という指標だ。「実車」とはトラックが荷物を積んで収益を上げている状態を指し、全走行距離に対して実車距離の比率が高いほど利益率が上昇する。
┌────────────────────┐
│ 実車距離 │
│ 実車率(%)=───────×100 │
│ 総走行距離 │
└────────────────────┘
●トラック業界の利益率とインターネットの活用ポイント
●荷台の不良在庫スペースをオンライン販売するビジネス(米国事例)
<この記事の完全情報 URL>
https://www.jnews.com/mem/back/detail/1999/199906/19990601_1.html
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。