ビジネスモデル事例集
  
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  ポイントや電子マネーは企業が発行する(企業通貨)という位置付けで、いくら貯めても利息は付かないため、できるだけ早く使ってしまったほうが良いのだが、今のところ課税対象となる通貨ではないという点で、あまり表に出したくない資金の逃避先として注目する動きがある。
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裏マネーとしてのポイント資産と
電子マネーロンダリング
written in 2009/11/15

 たまたま購入した競馬の馬券が大当たりして、数百万円を手にしたとしたら、どうするだろうか?競馬にハマっている人なら、次も馬券を買い続けるかもしれないが、冷静な人なら「そう頻繁に万馬券が出続けるわけはない」と考えて、定期預金にでもするのが妥当である。しかし昨今の定期預金は超低金利で、大した利息は期待できないため、他に良い投資先を探すかもしれない。

こんな不況の時には実感が湧かないかもしれないが、世界ではそんな状況が巻き起こっている。それは、金融恐慌以降、米国が“お金(通貨)”を刷り続けているためで、ドルの通貨供給量は、2008年の1月には8千億ドルだったのが、2009年の10月には1兆9千億ドルを超えているのだ。そのため、2年前に1万ドルの定期預金をした人なら、額面上の数字は変わらなくても、実質的な価値は半分以下に目減りしているという見方もできる。

《米国ドル、マネー供給量の推移》
    ドル供給量ドルの価値
    ・2008年1月8,195億ドル100%
    ・2008年3年8,261億ドル99.2%
    ・2008年6月8,327億ドル98.4%
    ・2008年10年11,303億ドル72.5%
    ・2009年1月17,018億ドル48.1%
    ・2009年3月16,427億ドル49.8%
    ・2009年6月16,806億ドル48.7%
    ・2009年10月19,364億ドル42.3%

     ※出所:米連邦準備制度理事会(FRB)
     ※「ドルの価値」は2008年1月を基準にした比較値

ドルで資産を持っている人の中には、これ以上に価値が目減りしてはたまらないということで、いまのドルよりも信頼性が高いと思われる資産へ乗り換える動きがみられる。万が一、米国が破綻しても、自分の資産は価値を目減りさせずに残すための策を講じることが富裕層ほど大切になる。

国が発行する紙幣は、政府のさじ加減によって価値がコントロールされていることに気付き始めた人々は、“万馬券”のごとくビジネスや投資で儲けた資金を、他の資産へと移し替えることに奔走しており、その動きが新たな資産の種類や新種のマネーを生み出そうとしている。

他方、日本でも国の借金(国債)は増える一方で、国の信用は揺らいできていることから、従来の方法だけで全財産を保有、管理することには不安があるのだが、一般にはその危機感があまり伝わっていないため、銀行預金で資産を持っていることが最も安全だという常識は未だ崩れていない。

変に焦る必要はないが、現金として持ち歩けるお金はほんの一部に過ぎないし、銀行へ預けてある資金は、イザという時には出金停止の措置が執られる可能性が濃厚であることを踏まえると、資産の持ち出しや移動の方法を考えておくことも重要で、それが新たな蓄財の発想にも結びついてくる。その具体的な方法を見ていくことで、新たなビジネステーマを掘り当てることも可能だ。
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この記事の核となる項目
 ●希薄化する銀行預金〜ゴールド投資への回帰
 ●金はどこで買う?様々なゴールドの買い方
 ●人気が低迷する宝飾品ゴールドへの着目
 ●用途によって違うゴールドの人気傾向
 ●裏マネーとして流通する電子マネーの役割
 ●電子マネーによる資産運用の可能性
 ●仮想とリアルの垣根が無くなる電子マネーの使い方
 ●ゴールドで資産としての裏付けをする電子マネー
 ●他人と同じ発想では成功しない有望投資分野の発掘方法
 ●新種の億万長者を生み出す純金電子マネーによる資産形成
 ●出張で貯まるマイレージ資産は誰のものか?を巡る裏事情


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